がんばれ!石破首相 オッズの良い賭け | ストラテジーレポート | マネクリ マネックス証券の投資情報とお金に役立つメディア

僕はこれまで石破さんを「何もしていない」と批判してきた。前回のストラテジーレポート(7月7日付『今夏の参院選と株式市場』)では、参院選で与党が負けても株は上がるのではないかと書いた。その理由は、石破政権は何もやってこなかった(に等しい)政権なので、そんな政権なら退陣してくれたほうがいい、よって株価は上がるのではないか、と述べたのだ。

そんな石破さんから、あんな発言があるとは思いもしなかった。

「これは国益をかけた戦いだ。なめられてたまるか」。9日、JR船橋駅前の街頭演説で、石破首相はそう述べて「私たちは言うべきことは、たとえ同盟国であっても、正々堂々、言わなければならない」と強い口調で訴えたのだ。

「なめられてたまるか」とは恐れ入った。やっとやる気を出してくれたのなら、(遅きに失した感はあるが)応援したい。

無論、批判もあるだろう。国民民主党の玉木代表は10日、石破首相の「なめられてたまるか」発言を批判。「選挙対策として、相手のいないところで厳しい言葉を発するのは交渉を円滑に進める上でマイナスだ。国益に反する」と記者団に語った。

ごもっともである。

株式市場も懸念を表明しているのではないか。昨日7月10日の日経平均は下落した。エヌビディアが世界で初めて時価総額を4兆ドルに乗せたニュースも日本株の上昇にはつながらなかった。これといった理由もないのに、日本株は下落した。もしかしたら、石破首相の発言がかえって日米関係の悪化につながりかねないと株式市場が警戒したのかもしれない。

ありえる話ではないか。

しかし、である。野党が何を言おうが、株価が多少調整しようが、そんなことはどうでもいい。仮にも一国の元首が「なめられてたまるか」とあれだけの啖呵を切ったのだ。ここは信じて託してみよう。まさか、なにも考えず、これからどのように米国と交渉するか、その策もアイデアもなく、勢いだけで言ったわけではないだろう。繰り返すが、一国の元首の言葉である。

ここは石破さんの気概に賭けてみようではないか。賭けるって何を?なんて野暮なことは訊かないでくれ。株を買うに決まってるではないか。どうせ買うなら低迷が続いている自動車株がいい。

これは実はオッズの良い賭けである。

なぜならダウンサイドはほとんどなく、うまくいけば大幅上昇となる。アップサイドに大きく比重が偏ったベットの機会だ。こういう非対称的な賭けのチャンスをプロのポーカー・プレーヤーは見逃さない。

これまでの交渉の経緯から日本政府に対する信頼も期待も高くない。先日示された25%の相互関税が8月1日にそのまま発動されても、「仕方ない」と市場は織り込み済みだろう。自動車の関税もまた然りだ。自動車株は市場全体の戻りについていけず低迷したままだ。したがって、石破さんの気概が空振りに終わっても、そもそも期待が高くないのだから株価もそれほど下げないだろう。

一方、土壇場での「逆転ホームラン」(陳腐な表現だが、まあ、相互関税もしくは自動車、あるいはその双方の税率が引き下がることだ)があれば株価は小躍りして上昇するだろう。

米国も日本の参院選の事情はわかっている。参院選の結果はおそらく与党の大敗に終わるだろう。そこから8月1日までの10日間、背水の陣で石破さんは米国と交渉するはずだ。それに賭けてみよう。この状況で日米通商交渉の好転に賭けて株を買うのは、ダウンサイドが限定的でアップサイドが大きい、投資家にとって有利なほうに歪んだ賭けなのだ。

そういうことだから、がんばれ!石破首相!

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